
物語の舞台「煉獄島『プルガトリオ』」
ここは、地図から抹消されたベトナムの極南に位置する小さな孤島───プルガトリオ。この辺境の小さな島には想像できぬ程、世界で最悪の治安を誇る、別名『煉獄島』。
ここには、北欧系マフィアの「レッドローズ・ファミリー」、中華系マフィア「黄金神龍」、中東系チンピラ集団「オーシャン・モンキー」が、それぞれ中東支部として日々、危うい均衡を保っていた。
そんな中で、中立の立場を守る聖光教ガーランド礼拝堂…別名「礼拝堂」は表向きは無害な姿を持ちながら、実質は体のいい犯罪の取引場として機能し、場所代を各勢力から巻き上げる日々を送っている。
しかし、二日前──
オーシャン・モンキーの「先を考えぬ愚か者」ロンが、目先の金に目が眩み、なんとレッドローズ・ファミリーのレアメタル倉庫を爆破し「アダマント」を盗み、黄金神龍の金庫を爆破し金を盗み出そうとして失敗した!(なお、きっちりと黄金神龍に始末されているのは言うまでもない)
オーシャン・モンキーは恐れをなし逃走を図るが、レッドローズ・ファミリーと黄金神龍が一時的に手を組み、オーシャン・モンキーを殲滅せんと後を追う。

運命の2030年12月20日未明
「くそっ、なんでこんな事になっちまったんだ!!」
2030年12月20日未明───「レッドローズ・ファミリー」「黄金神龍」「オーシャン・モンキー」の三陣営は、すったもんだの果てに舞台をプルガトリオの一角、廃工場へ。悪夢と絶望の夜を迎える……
はず、だった。
抗争スタート時刻の10分前から始まった、不穏な爆発音と多数の悲鳴のコンサート。三陣営の下っ端や幹部たちは眉を顰める───何かが、『変わった』。
人間を赤子の手をひねるように斬殺していく人外、魔物、およそ現代とは似つかわしくない異世界の怪物たちが、三陣営の火力や攻撃を物ともせず、次々と制圧してくる!!
「くっ、ここで死ぬわけにはいかねえ…家には子供も待ってる」
「仲間の仇を討ってやる!」
「俺は死にたくねえ…裏切るなら、今か?」
三者三様の様相を見せる、ダンス・マカブル。
この戦いに悪魔の女神が微笑むのは、誰だ───?